10日間の奇跡
入学式当日、学校に着いたわたしはクラスを確認し教室に向かっていた。
そんなわたしはすごく人見知りで下を向いて歩いていた。
ああ、こんなことなら弥生と凌と一緒にくるんだった。
「なあなあ優ー。今日遊び行くんだけどお前もくるよな?」
「ごめんパス」
「お前くるって女子たちにもいっちゃったんだよー、頼む!」
「俺には関係ないだろ」
そんなときに聞こえてきた声。
会話てきにきっと先輩だろう。
なんだかきまずいなあ。
早く通り過ぎてしまいたい。
そう思って下を向きながら少しだけ歩くスピードをはやめた。
────それがよくなかったんだろうか。
わたしは見事に壁に激突した。