10日間の奇跡


入学式当日、学校に着いたわたしはクラスを確認し教室に向かっていた。

そんなわたしはすごく人見知りで下を向いて歩いていた。

ああ、こんなことなら弥生と凌と一緒にくるんだった。


「なあなあ優ー。今日遊び行くんだけどお前もくるよな?」

「ごめんパス」

「お前くるって女子たちにもいっちゃったんだよー、頼む!」

「俺には関係ないだろ」


そんなときに聞こえてきた声。

会話てきにきっと先輩だろう。

なんだかきまずいなあ。

早く通り過ぎてしまいたい。


そう思って下を向きながら少しだけ歩くスピードをはやめた。


────それがよくなかったんだろうか。


わたしは見事に壁に激突した。
< 115 / 147 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop