10日間の奇跡


「はやいな」

「ほんとだね」

さっきまで綺麗に見えていた海もよくみえなくなった。


「もう寝る?」

その問いかけに首をふる。


寝たくない、もっと一緒にお喋りしたい、もっと一緒に・・・。


「だーめ。沙織は子供なんだから、もう寝なさい」


寝たくないのに、優が優しくぽんぽんと体をたたくから。


だんだん優の顔が薄れていって、そしてわたしは眠りについた。
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