10日間の奇跡
「すいません、チェックアウトお願いします」
「お客様、朝食はどうされますか?」
「大丈夫です。早くお会計お願いします」
「・・・すでに代金はいただいておりまして。朝食の分もいただいていたので返金いたしますね」
優は最初からこうして消えるつもりだったんだと知った。
「あ、あの大丈夫です!急いでるんで失礼します!」
ホテルの人がお金を数えている間にわたしは背を向けた。
「あ!お客様!」
今はなによりも優をみつけないと。
焦る気持ちを抑えながら外へいこうとしたとき腕をつかまれた。
後ろを振り返るとさっき対応してくれていたスタッフの人がいて。