10日間の奇跡


「すいません、チェックアウトお願いします」

「お客様、朝食はどうされますか?」

「大丈夫です。早くお会計お願いします」

「・・・すでに代金はいただいておりまして。朝食の分もいただいていたので返金いたしますね」


優は最初からこうして消えるつもりだったんだと知った。


「あ、あの大丈夫です!急いでるんで失礼します!」

ホテルの人がお金を数えている間にわたしは背を向けた。


「あ!お客様!」

今はなによりも優をみつけないと。

焦る気持ちを抑えながら外へいこうとしたとき腕をつかまれた。

後ろを振り返るとさっき対応してくれていたスタッフの人がいて。
< 125 / 147 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop