10日間の奇跡
「?なんですか?」
「実はこれを預かっておりまして。お客様に渡してほしいと」
そういって渡されたのは封筒だった。
「これ・・」
その封筒には見覚えがあった。
あの日引き出しに入っていたものと同じだ。
「優だ・・」
「どうぞこちらでゆっくりとお読みになってください」
「・・・ありがとうございます」
外は風が吹いていたしゆっくりと読みたかったのでロビーの椅子に座り便箋を取り出した。
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沙織へ
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そうかかれた優の文字だけで視界が滲む。