10日間の奇跡


「沙織?」

「はぁ、はぁ、ねえ弥生、優のこと、みかけなかった!?」

そんなとき、偶然弥生に遭遇。


「優って茅野先輩のこと??いや、みかけなかったけど・・・」

「そっか、っ・・・ありがとう!」

疲れ果てたわたしに驚きつつも弥生は「ごめんね」といった。


「・・・あ、沙織!」

「ん?」

「なにがあったかわかんないけど待ってるからね!わたしと凌は、ずっと沙織のこと待ってる!」

「っ、ありがとう」


弥生に元気づけられてまたすぐに走り出した。


でもやっぱりみつけられなくて、気づけばもうお昼過ぎ。

あんなに朝早くでたのに。

はやくしないと優がいなくなっちゃうのに。


そう思ったわたしは一度深呼吸して優の行きそうな場所を考えた。

そして思いついた。

優が最後に行きたいと思う場所を。

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