10日間の奇跡
「なにもいわないから、だから沙織の今の気持ち教えて」
「・・・だめ。だってそんなこといったら」
優が不安になっちゃうのに。
「いいから。ね?」
「・・・本当はなにも受け入れてない。優が消えちゃうなんて信じてないし、っ、消えてほしくないし、このまま明日なんてこなきゃいいのにって思ってる・・。優のそばにずっといたい。ねえ、優。わたしを置いていかないで」
寂しい気持ちにならないように、わざわざ花火を買ってきたのにいつの間にかろうそくは風で消えていた。
ただただ背中をさすってくれる優と泣き叫ぶわたし。