10日間の奇跡
「そういうお前らのほうがよっぽど不細工だっつうの」
「ほら、沙織いこ?」
「凌・・・弥生・・・ありがと」
いつだって味方してくれる2人に手を引っ張られて、わたしは茅野先輩に手を振り返すことなく、その場を立ち去った。
「あんなん気にすることねえぞ」
「そうだよ。ただの僻みだよ」
女の嫉妬は怖いことくらい知ってる。
でもわたしだってさっき嫉妬したし、仕方ないものなんだとも思う。
誰だって好きだった人をとられたら嫌だもんね。