10日間の奇跡
「まさか休みの日まで沙織に会えるなんてな、嬉しい」
「・・・・」
「あ、ごめん。困った?」
その言葉にこくりと頷く。
先輩って結構ストレートに言葉にしてくるけど、そんなの言われたことないわたしからしたら返答に困るんだよね。
まあ嬉しいは嬉しいんだけど。
「ごめんごめん。あ、今日の夕飯もしかしてハンバーグ?」
「はい」
かごの中をのぞかれたわたしはなんだか急に恥ずかしくなった。
別に今日の夕飯をあてられただけなのに、すごい私生活をのぞかれた気分になって。