10日間の奇跡
乗り換えをすることもなく40分くらいたっただろうか。
「次で降りるよ」
「はい」
ドアがあいて降りると、海のにおいがした。
別に海にいくっていわれたわけじゃないけど、海に向かってるんだなってわかる。
まだ夏じゃないけど、でも心地よい風が気持ちいい。
そして歩いて数分、わたしたちは砂浜にいた。
「どうして海に?」
「どうしても沙織と来たくて。平日だとこれないから」
その言葉の意味が理解できなかった。
平日は学校だからこれないっていうのはわかる。
でもこれから夏休みだってあるし、休みなんて今日じゃなくてもいくらでもあるのに。