10日間の奇跡


乗り換えをすることもなく40分くらいたっただろうか。

「次で降りるよ」

「はい」

ドアがあいて降りると、海のにおいがした。

別に海にいくっていわれたわけじゃないけど、海に向かってるんだなってわかる。

まだ夏じゃないけど、でも心地よい風が気持ちいい。


そして歩いて数分、わたしたちは砂浜にいた。

「どうして海に?」

「どうしても沙織と来たくて。平日だとこれないから」


その言葉の意味が理解できなかった。

平日は学校だからこれないっていうのはわかる。

でもこれから夏休みだってあるし、休みなんて今日じゃなくてもいくらでもあるのに。
< 50 / 147 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop