10日間の奇跡


ザァーザザァー

さっきまで穏やかだった波が、今は荒れている。

風がさっきよりも強くなって、天気も悪くなってる気がする。

まるでそれはわたしの心の中のようだった。

もういっそこのまま雨が降ってしまえばいい。

そうすれば、この溢れ出る涙をごまかすことができる。


先輩がどうしてこんな場所に連れてきたのかもわからないし、ここまできて別れ話をされる理由もわからない。

それになんで置いて行っちゃうのか。

先輩はわたしのこと嫌いなわけじゃないっていったけど、あれはいらない優しさだったんだろうか。

だって嫌いじゃなかったら、こんな仕打ちひどすぎる。

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