10日間の奇跡
「沙織!!」
「弥生、凌、どうして・・・?」
どうして2人がここにいるの?
「あいつに頼まれた。沙織がここにいるからって」
「ねえ、なにがあったの?」
「・・・ふられちゃった」
ねえ先輩。どうして最後の最後まで優しくするの?
わざわざ2人を呼んでまで、どうしてわたしをここに置いて行ったの?
いっそ一人にしてくれたらよかったよ。
「・・・とりあえずここいたら冷えるし帰ろう。話はそのあとだ」
そういって凌はわたしをおんぶしてくれた。
電車に乗り、見慣れた風景になってきたころ、また一つ涙がこぼれた。
そんなわたしをみて弥生はわたしの前に立ちハンカチをくれた。