10日間の奇跡


「さーおりちゃん!」

そのときだった。知らない男の人が教室のドアから顔をだしてわたしを呼んでいる。

「知ってる人?」

「ううん。知らない」

その男の人は茶髪でピアスもついてていかにもちゃらそうにみえた。


「人間違いだと思う」

このクラスに「さおり」はわたししかいないけど。


「あれ、無視?俺悲しい」

どうやらとても面倒な人なようだ。

なおさら関わりたくないと思った。

でも、

「優のこと、知りたくねえの?」

そんな声が聞こえて、ぱっとその人をみた。


「俺知ってるよ。優のこと」

いつものわたしならいかない。

見た目てきに怖いし、正直なにされるかわかんないし。

でも彼がいっていることが本当なら、わたしは優のことが知りたい。

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