10日間の奇跡
「おい真鍋」
「ひっ、こ、これはね違うの。わたしたちはなにも・・・」
「失せろ」
「・・・」
聞いたことない茅野先輩の声。
その声に女3人と後ろにいた男1人は逃げるように去っていった。
「・・・・・」
「ごめん」
さっきの声を出していた人とは思えないくらい小さな声で先輩はそういった。
「わたしが勝手についていったんです。・・・自業自得です」
「でも俺のせいで怖い思いさせた。こんなにも震えてる」
そういわれて気づいた。
足も手も震えてる。うまく立てない。
「・・・はは。大丈夫ですよ。これくらい」
「笑わなくていい」
明るくいったつもりだったんだけどな。
ずっと先輩の表情は怖いまんまだ。