10日間の奇跡
「ごめん」
そういってまだ震えがとまらないわたしを抱きしめた。
「・・・先輩、どうしてですか」
「・・・」
「どうして昨日別れを告げたんですか。・・どうして、助けに来てくれたんですか」
「俺は中途半端で、最低な男だ」
「え?」
「本当は別れたくないのに、好きなのに、でもどうしてもだめなんだ」
「どうして、ですか」
「終わりがくるから」
頑なに先輩は理由をいいたがらない。
その代わりに先輩は一言こういった。