10日間の奇跡
「うーん、わたし好きな人できるのかなとか、彼氏できるのかなとか、ちょっとだけ不安になって」
「なーんだ、そんなことか」
凌はすこし呆れたようにいったけど、安心したようにまたわたしの髪をくしゃっとした。
「もう!だから!」
「あ、わりいわりい。もう癖でさ」
そういって手を離す凌。
本当のことをいうと、小学生のころからこんな風に髪をさわってくるところとかいつもからかってくるところとか、うざいって思いながらも嬉しかった。
中学にあがってから、まわりが付き合いはじめたりしたのをみて、わたしと凌ももしかしたらそういう関係になるのかなとか考えたりして。