10日間の奇跡
「じゃあ明日はこれそう?」
「うん、いくいく」
「よかった」
「お母さんちょっと買い物いってくるわね」
気を利かせたのか、お母さんはそういってでていった。
「昨日のこと大丈夫?」
「うん。結局なにもされなかったし全然大丈夫だよ」
怖くて震えまくってたけど、先輩に抱きしめられてだいぶ落ち着いたしね。
「・・・なにかわかった?」
「やっぱり何か関係してることはありそうなの。それにね、わたしの夢に出てくる人。その人が茅野先輩と一緒で、しかもわたしは優って呼び捨てにしてて・・・」
「やっぱりどこかで会ったことあるってこと?」
「ううん。それはわからない」
「そっかあ。まだ収穫なしってことね」
「・・・うん。あ、でもねもう一つ気になったことがあって」
「なに?」
「お母さんの職場にね、茅野優作っていう人がいるみたいなの」
「え、まじ?それって・・・」
「でもお母さんは茅野優は知らないっていってた」
「じゃあさ、明日みにいってみない?」
凌が名案だというようにわざとらしくポンと手を叩いた。