10日間の奇跡
「沙織ーこっちよー!」
仕事場につくとお母さんが案内してくれた。
「弥生ちゃんと凌くんもきたのね」
「はい。すいません」
「いいのよ。昨日すぐ帰っちゃったから、また会えて嬉しいわ」
事務室みたいなところに案内してくれてわざわざお茶までだしてくれた。
「じゃあもうすぐ茅野さんくると思うから。くれぐれも失礼のないようにね」
「うん。ありがとう」
あのときと一緒。
ラブレターが入っていたあの日、屋上に向かっていったときのあの感じ。
ドキドキして、心臓の音がうるさくて。
でも早く結果が知りたくて。そんな感じ。