10日間の奇跡
「凌はなににしたの?」
「俺はもちろんリレー」
「足はやいもんね」
お昼休みになって、またまた体育祭の話。
「まあな。てか早くみたいわー、沙織の顔白いとこ」
「うざ!」
わたしがひどく落ち込んでいるというのに凌がすごく笑ってくるからムカつく。
ほんとにほんとに失敗した!
「まあいいじゃん。ちゃんと写真とってやるよ」
「いらないから!ほんとやめて」
「まあまあ。案外当日になってそういう雰囲気の中でやったら楽しいかもよ?」
まあたしかに自分だけじゃなくて、他のクラスだって先輩たちだって障害物競走をやる人はいるわけで。
みんながみんな白い顔になってたらたしかに面白いかもしれない。
「弥生天才!」
「?」
わたしって単純だな。