10日間の奇跡
「今日家の中探索してみる」
「そっか、なんかわかるといいね」
放課後、わたしはダッシュで家に帰った。
ああ、わたし100メートル走にすればよかったなんて思いながら。
「はあはあ」
一人で息切れしながら、とりあえず水を一杯。
そのあと自分の部屋にカバンを置き、リビングへ。
前は自分の部屋しか探さなかったから、今度は家中を。
まあ正直そこまで期待はできないんだけど。
まずは棚から。
そう思ってひとつひとつ引き出しをあけてみる。
「んっ、あれ?」
ひとつ鍵がかかった引き出しがあった。
こんなところに鍵なんてかけてたっけ?
もしかしたらお母さんの大事なものが入ってるのかもしれない。
でもすごく気になる。
そう思ったわたしは今度は鍵探し。
大事なものが入ってるならお母さんが普段持ち歩いている可能性もあると思ったけど、意外にもその下の引き出しの中から鍵はみつかった。
その鍵は綺麗に鍵穴にささり、まわすとかちゃりと音がした。
ゆっくりと引き出しを開ける。