誓いのstatice
第一章【始りのスターチス】

”スターチス”

それは4月から7月に掛けて咲く小さな花
けして派手とは言えないけど
凛として咲いてる姿にどこか心強さを感じる



2020年4月



スターチスが咲き始めた頃
今まさに新しい命が産まれようとしていた


「麻耶さん、もう少しで生まれるからね!」


「麻耶ッ頑張れ!」

助産師さんの言葉のあとに旦那さんの声援が聞こえた次の瞬間



オギャー




元気な産声をあげた





「元気な男の子ですよ!頑張りましたね」


私は助産師さんの一言に安心した



そして



我が子の元気な産声を聞いたら
陣痛が始まってからの
あの苦痛の時間がもぅどうでもよく感じた




「麻耶ッ…よく頑張ったなッありがとう」






汗でびっしょりの私のおでこを
旦那さんがそっとタオルで拭いてくれる



その顔からは涙を浮かべながらも
笑顔で満ち溢れていた





"この笑顔を守れてよかった"





あの時、あなたとこんなにも幸せな人生を共に歩めるなんて思ってもみなかった






(「ねぇ、あなた、私こそ本当にありがとう。」)





私は旦那さんに対する感謝の気持ちで胸がいっぱいになると同時にあなたと初めて出逢った3年前の夏を思い出していた






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