誓いのstatice



商品発注のミスの疑いは晴れたものの
その日を境に
私に対する藤原さんの態度が急激に変わった






「仕事の覚えが悪い」
「作業が遅い」
「仕事をサボる常習犯」


など実際にありもしない
デタラメな噂を流されたり




藤原さんとすれ違う度に
「給料泥棒」
「早く辞めろ」
と心ない誹謗中傷の言葉を浴びせられ続けた




"支店内で藤原さんが新人イジメをしている"


そんな話が水野さんの耳にも届いたのだろう



見かねた水野さんが
幾度となく相談に乗ってくれたり

藤原さんに嫌がらせを辞めるように
説得を試みたものの

藤原さんの嫌がらせが止む事は無かった





むしろ

「あいつは男を手玉にとり
色気を振りまく厄介者」

と水野さんが私を庇ってくれた事が
足かせとなり
日が経つにつれ
藤原さんの嫌がらせは大きくなるばかり





私を庇う手立てが見つからずに
困っていた水野さんに罪悪感を覚え始めた私は
水野さんからも距離を置いた




藤原さんがボス猿という事もあり
周りの人は見てみないふり





誰一人として藤原さんを止める人はいなかった






むしろ

自分に目をつけられない様に
藤原さんに加担する人が増える一方だった





私と仲良くしていた人達も
私から離れていった





職場に行っても一人ぼっち





当然、相談する相手もいなく
私は精神的にも身体的にも
悲鳴を上げはじめていた





(頭では分かってるんだよ…)




あの時、水野さんが言ってくれた言葉




『社会に出たらいろんな人がいるから気にするな』





("仕事は仕事"
ちゃんと割り切らなきゃって
頭では分かっていても
心がついていかない…)



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