誓いのstatice
気が付けば私とマスターは
家の前に立っていた
「こんな話しちゃって、ごめんなさい」
終始無言のマスターに罪悪感を覚え始めた私は
頭を下げてその場を立ち去ろうとした瞬間
「麻耶ちゃん…」
私の名前を呼ぶマスターが
一歩、二歩と距離を縮め歩み寄ってくる
「……」
ポンと私の頭にマスターの手が乗る
「……ッ…‼︎」
ドキッ…
マスターとの距離の近さに胸が高鳴る
「俺、麻耶ちゃんの口から"特別な場所"をまた聞く事が出来て嬉しかった」
(私もマスターの事を知ることができて
嬉しかった…)
「じゃぁ、また明日ね」
マスターは笑顔で私に背を向け
『statice』へと戻って行った
同じ花が特別な存在だと知り
マスターに運命を感じ
胸を踊ろかすあまり
この時の私はまだ気が付いていなかった…
大切な"もう一つの約束"の存在に…