誓いのstatice
第八章【約束】


雪が降る中
ボストンバックを片手に全てから逃げる様に
私は静岡の地に来ていた





「…突然来てごめんね」


「気にするな」

「寒かったでしょ、あがって」



連絡もしないで数年振りに突然帰って来た私を
田舎のおじいちゃんとおばあちゃんは何も言わずに優しく出迎えてくれた





チーン

「ただいま」

私は仏壇に手を合わせて
お父さんとお母さんの写真に語りかけた



「ごめんね、なかなか帰って来れなくて」



幼稚園の頃に事故で両親を亡くした私は
おじいちゃんとおばあちゃんに引き取られ
中学3年生までこの家で育った


おじいちゃんとおばあちゃんに少しでも迷惑を掛けまいと
バイトをしながら都内にある高校・大学へと進学した


バイトと勉強に追われる毎日で
学生時代には静岡に帰って来れずにいた


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