誓いのstatice
(絵里さんは…自分の命をかけてまでもマスターを想ってたんだ…)
病院に着いた私達は
重い足取りで絵里さんのいる病室に向かった
【302 片山絵里】
マスターのお父さんは
絵里さんの病室の扉を開けた
「………ッ…」
私は扉から一歩も動けなかった
「えッ…」
扉が開きあわらになった病室の光景に
私は凍りついた
点滴を打たれながらベッドに横たわる絵里さんを
ベッドを取り囲む様に家族の方が絵里さんを心配そうに見つめている
絵里さんのお母さんにいたっては泣き崩れている
(私がマスターを大切に想う事でみんなが傷つくんだ…)
病室に入ったマスターのお父さんがマスターに近寄り耳打ちをしている
その後直ぐにマスターは
私の元に来てくれたが
その顔にはいっさい表情がない
(…マスターにも辛い想いをさせて…こんなに傷つけさせるんだ…だったらいっそのこと…)
「話したい事があります」
私は絵里さんの病室には入らず
マスターと2人で病院の屋上に向かった
病室を出てからもマスターが口を開くこともなく
私もまた自ら喋ることもなく
お互いが黙ったまま二人の間には沈黙が流れてた
「「………」」
屋上に着いた私たちはベンチに腰を下ろした