誓いのstatice
第十一章【特別な手作り】
私は家に着くなり、自分の部屋にこもり泣いた
「ふッ…うぅ…」
(今日で最後にしよう…
マスターを思って泣くことを…)
「ただいま」
部屋の向こうから勇樹の声が聞こえてくる
時刻は21時を過ぎていた
コンコン
「麻耶…どぅした?」
.
「………」
勇樹は私の部屋をノックして
声を掛けてきたけど
私は返事をすることができなかった
しばらくすると
キッチンから物音が聞こえ始め
美味しそうな香りが漂う
コンコン
また勇樹が私の部屋のドアを叩く
「麻耶の分も作った…置いとくから食べて…」
そこには野菜スープとサンドウィッチとサラダが置かれていた
「…………」
(勇樹が初めて作ってくれた料理…
…私の様子がおかしいから…作ってくれたんだ…)
「………」
私は野菜スープを一口一口噛み締めながら食べた