誓いのstatice
”大丈夫”と自分に言い聞かせて扉を開く
「おはようございます」
「あ、おはよう。麻耶ちゃん」
「あら。あなたが麻耶ちゃん?」
そこにはマスターの姿はなく
マスターのお父さんと
お母さんであろう女の人の姿があった
「初めまして。優人の母です。」
「初めまして。大川麻耶です。」
ニコッと笑った顔はマスターに似ていた
「もぅ体調はいいんですか?」
「うん。大丈夫よ。麻耶ちゃんにも迷惑かけっちゃったわね…ごめんなさいね」
「さぁ。立ち話はその辺で、開店準備をしよう」
私たちはマスターのお父さんの言葉で
開店準備を始めた
「…ッ…….あの……マスターは?…」
私はマスターのお母さんに恐る恐る尋ねた
「優人は病院に行ったわ…
絵里ちゃんの側にずっといるって言って…」
「絵里さんは大丈夫なんでしょうか…」
病室で横たわる絵里さんの姿を思い出すと
胸が張り裂けそうになる
「大丈夫よ、意識も回復してるみたいだし」
「よかった…」
私は少しだけホットした
「でも…あの子には……」
「おーい、手を動かしてくれ」
マスターのお母さんが喋りかけた時
少し離れた場所から
マスターのお父さんの声がした
「あ、はーい。復帰早々怒られちゃった!」
クスクス笑いながら
開店準備を始めるマスターのお母さん
(あの続きはなんだったんだろ…?)
マスターのお母さんの言葉の続きが気になったけど私は聞く事が出来なかった
正直マスターがいなくてホッとした反面
今も絵里さんの側にいるマスターを思うと
胸が苦しくなる