誓いのstatice
第十二章【決意】
家の明かりはまだついていない
家に帰る気分でもなかった私は『statice』とは反対側の道へと歩き始めた
(あっちにはマスターとの思い出がいっぱいありすぎる…)
「大川さんッ」
真っ正面から黒いコートを着た女性が私の名前を呼びながら歩いてくる
(あれは…)
「深瀬……さん」
勇樹との写真を送って来た元先輩の深瀬さん
「大川さん…話があるの。
お茶でもしない?」
「………」
勇樹の事、それからあの”悪夢”に
関係していた事もあり私は戸惑った
(…嫌だな…、でも、私自身が逃げちゃだめなんだ…)
「はい…」
私は意を決して深瀬さんと
駅近くにあるカフェに行く事にした