誓いのstatice
第ニ章【マスターと『statice』】
『statice』で働きだして早2ヶ月
蝉が勢いよく鳴いてる9月
私も自分の仕事にようやく慣れ始めてきた
「麻耶ちゃん、ホールの準備できたら表の看板出してきて」
「はーい!」
最近マスターのお父さんは
ほぼ毎日奥さんのお見舞いに行っているから
マスターと2人で
開店準備から閉店作業までお店を回している
「今日も一日頑張るぞっ!」
学生達の夏休みも終わって
お客さんが減るかと思っていたけど
全くそんなことはなく…
相変わらず
「優人さん、かっこいい‼︎♡」
「連絡先教えて下さい‼︎」
「彼女いるんですかぁ⁉︎」
イケメンマスター目当ての女性客や
「優人くん、昨日のニュースは見たかね?」
「この前、教えてもらった本面白かったよ」
といった知的マスター目当ての男性客で
朝から夜までお客さんが途切れることはなかった
最初はホールだけが私の仕事だったけど
今ではキッチンもしばし出来る様になり
マスターと入れ替わり立ち替わりで
ホールとキッチンをやりくりしている