誓いのstatice
第十四章【結婚式の準備】
家に帰って来た私は
明日勇樹と一緒に静岡に帰る為に
荷造りをしていた
「………」
(これでいい……これでいいんだ…)
「……ッ…」
(私と勇樹が結婚するように…
マスターは絵里さんと結婚する…ただそれだけだ…)
「ただいま」
「………」
黙々と荷造りしている私の手を勇樹が握りしめる
「あ、ごめん、気付かなかった、おかえり勇樹」
「………」
そっと私の顔を覗く勇樹に
満面の笑みを作り上げ話し続ける私
「明日楽しみだね!
勇樹は静岡行った事ある?」
「……ッ…前に何回か行った事あるかな…」
この時の私はその場を誤魔化す事が精一杯で
勇樹の異変に気付かなかった
「…ッ…麻耶…」