誓いのstatice


家を出てから一時間が経ち勇樹は車を止めた


「ここ……」



勇樹に連れられて来た場所は
私達が初めてデートをした遊園地だった



「懐かしいだろ」



「…うん!」



私は自然と笑みがこぼれた



「じゃぁ、行こうか」




「うん!」

私はそっと差し出された勇樹の手をとり歩き出した





始まりの場所から未来へ向かう様に
私達は園内へと入っていった





ジェットコースターにお化け屋敷、迷路屋敷など私達は時間を忘れて遊び尽くした



気付いた頃には20時を過ぎていた



「ねぇ…麻耶、最後にあれ乗らない?」




勇樹が指を指した先には観覧車があった



「うん!」



勇樹と共に観覧車に乗ると
そこには綺麗な夜景が一面に広がっていた


「うわぁ、綺麗ッ!」


私は夜景に見惚れていた



すると


ヒュー…パーン



夏を先どる期間限定の花火が夜空へと舞い上がった




「麻耶…ありがとう」



観覧車が頂上に辿り着いた時に勇樹が私に何か話しかけた




でも花火の音で勇樹の声がかき消されて聞き取る事ができない



「えッ何?今何て言ったの?」




「なんでもない」

勇樹は私を見て首を横に振った




観覧車が戻ってくる頃には
花火も終わっていて閉園時間となっていた





「勇樹、ありがとう!すごく楽しかった!また来ようねッ!」



勇樹は頷く事もせず
私達は遊園地を後にした


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