梅雨が始まるまでに
初夏
日中の空は青さを増して太陽は一日のほとんど見かけるようになった。
久しぶりに連絡を取り始めた友達に自分の事をよく話すようになった。
彼は、私のすごくどうでもいい昔の話やしんどかったこと
今も全然楽しい気分でいられないことを真剣に聞いてくれた。
私ばっかりが苦しいことがあるわけでもないのに、
話を聞いてくれた時は必ず俺はこう思うよ。
と自分の意見と感想を伝えてくれる。
彼の考え方からくる言葉は私の沈んでしまったこころによく響いた。
あなたに出会った頃の私は、誰にも嫌われないように必死に取り繕って笑っていようとしてた。
それが一番楽しいと思い込んでたから。
言葉が増えるほどに無理に笑えなくなって泣いてしまうときもあった。
でも、本当に気付いてほしかったのは笑顔で強く入れる私ではなくて
つらいことをつらいと言えるようなそんな心の弱さだった。
あなたは泣いている私の声を聴いてもいつもと変わらずに接してくれて、
でも言葉の一つ一つにはいつも以上の優しさを感じた。
「あの時、私の声を聴いてくれて一人にしないでくれてありがとう」
もう飾らない自分でいられる関係になった今だからこそ伝えたくなった。
「つまらなくて不安で苦しい毎日に一緒に向き合ってくれて、今でも気にかけてくれて本当に感謝しているよ」
返事は返ってこなくてもいいと思う。
何も言わずにこの気持ちを受け取ってほしくなったから。