キミの目に僕はもう映らない
思い出
「えっ！？昌美？」





ファーストフード店のドライブスルーで注文が来るのを待っている小河侑也は、向かいにある美容室の中で働いている1人の女性を見つめていた。



その女性は笑顔を浮かべ楽しそうにお客さんの髪の毛を切っている。





「ねぇ！どうしたの？」





隣にいる彼女が声をかける。



「ん？あぁ、何でもないよ」と笑顔を浮かべシラを切る小河侑也。彼はそれまで見ていた女性から視線を外し、彼女のほうへと顔を向ける。



「誰か知り合いでもいた？」と聞いてくる彼女に「全然知らない」と返す。他愛もない会話を始めるも彼は再び美容室で働いている女性のほうに顔を向けていた。



その女性はとても綺麗な顔立ちをしていて、背が高く、典型的な「美人」と言った印象。彼女は馴染みの客と話をしているのかとても可愛い笑顔を浮かべながら楽しそうに髪の毛を切っている。



そんな彼女を遠い目をしながら見つめる小河侑也に隣にいる彼女が再び「ねぇ！」と声をかける。





「ごめん。ごめん。」





彼は謝りながらも再びその女性のほうへと振り返りながら昔のことを思い出していた。
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