キミの目に僕はもう映らない
終わりの足音
どれほど長くキスしただろう。いつの間にかドアに手をついていた昌美の腕は侑也の腰に周り、侑也も気が付くと昌美のことを抱き締めていた。重なっていた唇と唇が離れる。2人は無言のまま見つめ合った。
「大好き」
昌美が笑顔で言うと、侑也も「俺も好きだよ」と笑顔で返す。そして2人はもう一度抱き合い、侑也は昌美の家をあとにした。自宅までの帰り道、侑也はまだドキドキが収まらないでいた。
家に着いた侑也はベッドに寝転ぶ。彼は昌美とのキスを思い出してニヤニヤしていた。
「甘かった・・・」
そう言うと侑也はそのまま眠りについた。次の日、彼はバイトを始めることを決心した。「デートにはお金がかかる」そう思ってのことだった。侑也は昌美にバイトを始めることを伝えると彼女は「応援してるね」と一言返してくれた。
「よーし、やるか!」
侑也は自宅近くのバイト募集を探した。するとすぐに近所のスーパーのバイトを発見。
「ここだ」
そう感じた侑也はすぐに電話をかける。その後、彼はこのスーパーで働くことが決まり、週6日もバイトに入ることにした。
ただ、昌美もバイトをしていることから2人が一緒に過ごせる時間はかなり減った。その中でなんとか一緒の時間を作っていたが、それでも2人の時間は少なった。
そんな日々が数ヶ月続き、すでに時は卒業目前の3月。3年生は卒業式の日まで休みになっていて、2人が学校で会うのはもう卒業式のみとなっていた。この日も侑也は昌美のバイト終わりを迎えに行き、2人一緒に帰っていた。
「あのね、侑也」
「ん?何?」
「私もう少し2人の時間が欲しい」
寂しそうな表情を浮かべる昌美。昌美もバイトはしているものの侑也のようにみっちり週6で働くといったことはしていなかった。
「ごめんごめん。でも昌美との時間をもっと楽しむために頑張ってるんだよ」
侑也は笑顔で答えるが昌美の顔は曇ったまま。
「それはそうだけどさ、2人で一緒にいられればそれでいいよ」
昌美は寂しそうな表情を浮かべている。そんな彼女を見て侑也も納得したのか「わかったよ」と一言笑顔で返す。
「ほんと?」
「うん。週4~5にしてもらうように聞いてみるよ。でもすぐには対応してもらえないかもしれないけど」
昌美は侑也の言葉に喜んだ。昌美はまた以前のように2人で過ごす時間を求めていた。そして、それは叶うはずだった。
次の日、侑也はさっそくバイト先の店長に「週4~5日で働きたい」ということを伝えた。すると店長も快く了承してくれ、来月から基本は週4、忙しい時だけ週5になることが告げられた。
侑也がこのことを昌美に伝えると彼女は喜んでくれた。この日は久しぶりに2人ともバイトが休みで、昌美は侑也をドライブに誘うことにした。
侑也は昌美が車の免許を持っていることを内緒にされていたようで、彼女もまだ車の免許を取ったばかり。2人は初めてのドライブデートに出かけた。
「乗って!」
昌美は侑也の家まで彼を迎えに来ていた。侑也は笑顔で彼女の車に乗り込む。
「車の免許持ってるなんて知らなかったよ」
「だって、内緒にしてたもん♪」
昌美は母親の軽自動車を借りて侑也を迎えに来たらしい。2人は久しぶりの同じ時間を思いっきり楽しんだ。適当に街中をドライブして回ったあと、昌美は夜景が綺麗なところを帰り道に選んだ。その道路は少し高台にあり、横を見れば夜景が広がっている。
「綺麗な夜景だね」
そう言う昌美の横顔を侑也は静かに見ていた。背景には煌めく夜景が広がり、対向車のヘッドライトが彼女を照らす。そんな昌美はいつもよりも少し可愛く見えた。
家に送り届けてもらった侑也はすぐに昌美にLINEを送る。
「今日は楽しかった。」
昌美も家に着いてからすぐにLINEを返信してきた。
「また一緒にお出かけしようね」
「ちょっと今日は疲れたからこれからお風呂に入ってすぐ寝るね。おやすみ」
長時間2人でドライブを楽しんだため、昌美は疲れていたようだ。ただ、侑也はまだ眠くなかった。そこで侑也は眠くなるまで誰かにLINEで相手をしてもらおうと考え、友達の美奈子にLINEを送った。
この美奈子というのは数年前にオンラインゲーム上で知り合った女性で、すでに年齢は24歳と侑也よりも全然年上。一度も会ったことは無かったが、ゲーム上で意気投合し、たまに連絡を取り合う気軽な友達といった関係だった。
侑也は美奈子にLINEを送ったあと、お風呂に入った。お風呂から出てきてLINEを確認するが美奈子からは返信が無い。
「あれっ?いつもだったらもっと早く返信してくれるのに」
そう思いながらも侑也はもう少しだけ美奈子からの返信を待った。さらに30分ほど待ったが返信はこない。おかしいと思いLINEを開いてみると間違えて昌美に送ってしまっようだ。これに驚いた侑也はすぐに昌美にLINEを送る。
「LINE送る相手間違えちゃったよ(笑)ごめんね。気にしないで」
そうLINEを送った侑也はベッドに寝転がると気分が落ち着いたのかそのまま眠りについた。
「大好き」
昌美が笑顔で言うと、侑也も「俺も好きだよ」と笑顔で返す。そして2人はもう一度抱き合い、侑也は昌美の家をあとにした。自宅までの帰り道、侑也はまだドキドキが収まらないでいた。
家に着いた侑也はベッドに寝転ぶ。彼は昌美とのキスを思い出してニヤニヤしていた。
「甘かった・・・」
そう言うと侑也はそのまま眠りについた。次の日、彼はバイトを始めることを決心した。「デートにはお金がかかる」そう思ってのことだった。侑也は昌美にバイトを始めることを伝えると彼女は「応援してるね」と一言返してくれた。
「よーし、やるか!」
侑也は自宅近くのバイト募集を探した。するとすぐに近所のスーパーのバイトを発見。
「ここだ」
そう感じた侑也はすぐに電話をかける。その後、彼はこのスーパーで働くことが決まり、週6日もバイトに入ることにした。
ただ、昌美もバイトをしていることから2人が一緒に過ごせる時間はかなり減った。その中でなんとか一緒の時間を作っていたが、それでも2人の時間は少なった。
そんな日々が数ヶ月続き、すでに時は卒業目前の3月。3年生は卒業式の日まで休みになっていて、2人が学校で会うのはもう卒業式のみとなっていた。この日も侑也は昌美のバイト終わりを迎えに行き、2人一緒に帰っていた。
「あのね、侑也」
「ん?何?」
「私もう少し2人の時間が欲しい」
寂しそうな表情を浮かべる昌美。昌美もバイトはしているものの侑也のようにみっちり週6で働くといったことはしていなかった。
「ごめんごめん。でも昌美との時間をもっと楽しむために頑張ってるんだよ」
侑也は笑顔で答えるが昌美の顔は曇ったまま。
「それはそうだけどさ、2人で一緒にいられればそれでいいよ」
昌美は寂しそうな表情を浮かべている。そんな彼女を見て侑也も納得したのか「わかったよ」と一言笑顔で返す。
「ほんと?」
「うん。週4~5にしてもらうように聞いてみるよ。でもすぐには対応してもらえないかもしれないけど」
昌美は侑也の言葉に喜んだ。昌美はまた以前のように2人で過ごす時間を求めていた。そして、それは叶うはずだった。
次の日、侑也はさっそくバイト先の店長に「週4~5日で働きたい」ということを伝えた。すると店長も快く了承してくれ、来月から基本は週4、忙しい時だけ週5になることが告げられた。
侑也がこのことを昌美に伝えると彼女は喜んでくれた。この日は久しぶりに2人ともバイトが休みで、昌美は侑也をドライブに誘うことにした。
侑也は昌美が車の免許を持っていることを内緒にされていたようで、彼女もまだ車の免許を取ったばかり。2人は初めてのドライブデートに出かけた。
「乗って!」
昌美は侑也の家まで彼を迎えに来ていた。侑也は笑顔で彼女の車に乗り込む。
「車の免許持ってるなんて知らなかったよ」
「だって、内緒にしてたもん♪」
昌美は母親の軽自動車を借りて侑也を迎えに来たらしい。2人は久しぶりの同じ時間を思いっきり楽しんだ。適当に街中をドライブして回ったあと、昌美は夜景が綺麗なところを帰り道に選んだ。その道路は少し高台にあり、横を見れば夜景が広がっている。
「綺麗な夜景だね」
そう言う昌美の横顔を侑也は静かに見ていた。背景には煌めく夜景が広がり、対向車のヘッドライトが彼女を照らす。そんな昌美はいつもよりも少し可愛く見えた。
家に送り届けてもらった侑也はすぐに昌美にLINEを送る。
「今日は楽しかった。」
昌美も家に着いてからすぐにLINEを返信してきた。
「また一緒にお出かけしようね」
「ちょっと今日は疲れたからこれからお風呂に入ってすぐ寝るね。おやすみ」
長時間2人でドライブを楽しんだため、昌美は疲れていたようだ。ただ、侑也はまだ眠くなかった。そこで侑也は眠くなるまで誰かにLINEで相手をしてもらおうと考え、友達の美奈子にLINEを送った。
この美奈子というのは数年前にオンラインゲーム上で知り合った女性で、すでに年齢は24歳と侑也よりも全然年上。一度も会ったことは無かったが、ゲーム上で意気投合し、たまに連絡を取り合う気軽な友達といった関係だった。
侑也は美奈子にLINEを送ったあと、お風呂に入った。お風呂から出てきてLINEを確認するが美奈子からは返信が無い。
「あれっ?いつもだったらもっと早く返信してくれるのに」
そう思いながらも侑也はもう少しだけ美奈子からの返信を待った。さらに30分ほど待ったが返信はこない。おかしいと思いLINEを開いてみると間違えて昌美に送ってしまっようだ。これに驚いた侑也はすぐに昌美にLINEを送る。
「LINE送る相手間違えちゃったよ(笑)ごめんね。気にしないで」
そうLINEを送った侑也はベッドに寝転がると気分が落ち着いたのかそのまま眠りについた。