こいつ、俺の嫁。ーAnother my wife storyー



行きたい人が代わりに行ってくれるなら、これほどいいことはないと思ったのに。



「今日はテツの家族とうちでご飯食べに行くんだよね~!」



なんて頬を赤くして言うもんだからそれは言えなかった。



ほんと、さっさとくっつけばいいのに。



なんて思っていると何かを思い出したのか澪は「あ!」と大きな声を出した。



「未来、来週の土曜日空いてる?」


「……みんなどうしてこう私の予定を聞くの…」


「へ?何か言った?」


「…なんでもない。空いてるよ」



空いてると言えば澪はキラキラと目を輝かせた。



この目は何を意味するのか、私は知ってる。



「来週の土曜日にテツとバレーの試合観に行くんだけど、未来も一緒に来てほしい!!」



澪の目がキラキラと輝くのは何か頼みごとをしたい時の合図。



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