こいつ、俺の嫁。ーAnother my wife storyー
3rd.馬鹿にするな
「……く、……未来!」
「……え?」
「え?って店通り過ぎてるけど?」
名前を呼ばれて振り返ると店の前に止まって、店の入り口を指差す澪がいた。
考え事をしていたら店の前を通りすぎてたみたい。
澪がいるところまで戻って店の看板を見る。
この喫茶店ラヴに来るのはいつものことなのに、なぜかあいつとの出会いを思い出してしまった。
ここ最近よく来るせいかな。
なんて思いながら澪の後に続いて店の中に入る。
嫌なことを思い出したから店の中に入る足が重たい。
「いらっしゃーい…って澪と未来か!座って座って」
笑顔を浮かべた彼を見てすぐに目線を逸らす。
思い出したあのキスをされそうになったのが脳裏に焼きついて直視できない。
髪の毛またブリーチしたんだ、白金みたいになってる。