こいつ、俺の嫁。ーAnother my wife storyー
前よりも体が逞しくなった?
バレーは順調?
いつもより多い荷物を持って降りてきた彼に聞きたいことはたくさんあるけど、それよりもまずは両手を広げた。
「……ん、」
何も言わずに両手を広げたら持っていた荷物をその場に落として思いっきり抱き締めてくれる。
少しの時間抱き合って顔だけ離して見つめ合えば何だかこそばゆくてお互いに笑い合った。
「おかえり!剣ちゃん!」
「…ただいま、麗」
優しく微笑んで頬を撫でられる。
その左手薬指の指輪を見てまた嬉しくて私は剣ちゃんに抱きついた。
「…今日は自転車で来たのか?」
「う、うん!剣ちゃん荷物多いかなと思ってさ!」
剣ちゃんの荷物を半分持ちながら駐輪場に行くと鋭いところをつかれた。