もう離さないでね

りり？？

今まで翔の口からは聞かなかった名前。

2人は仲良さげに話してる。

なんとなくその場にいたくなかったあたしは聖那の手を引いて、足速にその場を去った。

｢結愛？なんかあった？｣

『あ、ううん。なんでもない。じゃあ回ろっか』

モヤモヤとする気持ちをかき消すように校内をまわった。

このとき、聖那がなにか考える素振りをしていたことすらにも気づかずに。