もう離さないでね
後ろから下駄箱を開ける音がきこえた。

振り返ると_翔だった。

あ、翔。

そのまま、あたしのことなんてまるで見えてない様子でスタスタと行っちゃった。

…やっぱりそうなるよね。

あたしが突き放したんだもん。

わかってた。

「…結愛?」

『あ、ううんなんでもないよ。行こ』

大丈夫大丈夫。

翔とはただのクラスメイト。

それだけだから。
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