もう離さないでね
一気に目が覚める。

『…はいっ』

返事をして立ったものの、先生はポカーンとした顔をしている。

え。指したんじゃないの?

頭に中ははてなマークでいっぱい。

「なにしてるんですか、有村さん。席に座りなさい」

もしかして騙された?

「ちょっと結愛、なにしてるの!」

クラス中が笑いで包まれる。

「ぷっお前やば。腹痛え」

…翔くん。

まさかそんなことする人だとは。

プイっとそっぽを向く。
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