もう離さないでね
人気のない廊下だから、やけに声が響く。

『あたし、翔が好きだよ』

「え?」

だーかーら、『翔がすき』

あれ、思考停止中??

もどってきてよ〜。

「まじ?先輩は?」

『聖那のことはもう吹っ切れた』

まじかって呟く翔。

まじだよ。

『たしかに聖那のことは大好きだった』

いっちゃえば、あたしの初恋だったかな。
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