へたれアイドル王子 卒業します アミュ恋 4曲目
「どんな……感じだった? 私……」
恐怖で震えが止まらない腕を、
さすりながら
恐る恐る、マトイを見上げてみる。
マトイは、私から視線を外しているけれど。
吊り上がった目で、床を睨みつけていて。
マトイの口から、どんな罵声が飛び出すか、
さらにビクビクしてしまう。
「あの……マトイ……?」
「悪く……なかった……」
え?
目の前のマトイは
怒ってるよね?てほど
不機嫌そうな顔をしているのに。
飛び出した言葉は、弱々しくて。
意味も、よく分からない。
「蓮見さ……
酒……今夜も飲めば……」
「ん?」
「甘える蓮見……
また……見たいし……」
ひゃっ!!
何? 何?
私、マトイに甘えたの??
どんな風に甘えたの??
聞きたいけど……
マトイになんて聞けないよぉ!!
思い出せ。なんとか、自分で。