へたれアイドル王子 卒業します アミュ恋 4曲目

「マトイは、お芝居のレッスンでしょ?」



「ああ、午後からな。
 蓮見も見に来るわけ?」



「顔を出す程度ね」



 芝居の鶴橋先生にも

 新しいマネージャーを
 紹介しなきゃいけないしね。



 マトイの作ってくれたオムライスを
 口に運ぶ。



「おいしい……」



 アミュレットの中で、料理ができるのは
 綾星だけかと思っていたけど。

 それも、私の思い込みだったんだね。



 7年も、マトイの傍にいて。

 何を見ていたんだろうな。私は。



 マトイは、
 アミュレットの中で一番ひねくれていて。


 褒められても、素直に喜ばなくて。


 練習は、だるそうに参加するのに。


 次回までに、
 習ったところは完璧にマスターしてきて。



 上から目線で。俺様系で。



 でも、アミュレットのメンバーが
 傷ついている時には

 その傷を、
 マトイなりに塞いであげようとして。



 マトイの良いところ。
 全部、わかっているつもりだったのに。


 私に見えていたものって、
 ほんの一部でしかなかったんだね。



 そりゃ、アミュレットのマネージャー
 下ろされて当然だよ。

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