へたれアイドル王子 卒業します アミュ恋 4曲目
「マトイ……寝ちゃったの?」
眠りを誘う癒し声が、耳に届いた。
大好きな声。
心地良くて。
目を閉じてもっと聞いていたい。
「寝るなら、ベッドで寝て。
体、壊すから」
寝る? このまま?
は!!
俺、いつの間にか寝てんじゃん!!
自分で自分にビックリして
慌てて瞳を開けた。
ソファに寝そべったまま、見上げると。
俺の真上に
ふんわりとした笑顔の花が、咲いていた。
「マトイ、毎日お疲れ様」
蓮見が、俺の頑張りを
分かってくれている感じがして
嬉しさが込み上げてくる。
でも。
素直に喜びを表現できない性格は
子供の頃から、ちっとも変ってねぇ。
「別に、疲れることしてねぇし」
ふてくされた態度の自分にがっかり。
好きな子をイジメる、小学生かよ。
俺様は。