へたれアイドル王子 卒業します アミュ恋 4曲目
「じゃあ、楽しかったか?」
「へ?」
「俺たちとヒーローショーのステージ、
立った時」
「楽しかったし……
なんか、救われた……」
「は?」
「捨て去りたいほどの過去にも
ちゃんと意味があったんだって」
うっすら笑顔を浮かべる蓮見の横顔は
目を逸らしたくないほどに綺麗で。
痛々しい。
「昨日、マトイが私に聞いたでしょ?
なんでアミュレットのマネージャーに
なったのかって」
「ああ。」
「ただ……
逃げたかっただけ……」