へたれアイドル王子 卒業します アミュ恋 4曲目
しばらくして
ゆっくりと開いたドア。
うつむきながら
苦しそうに顔をゆがめる蓮見は、
肩を震わせている。
「来ないでって……言ったのに……」
「寒いから、中に入れろよな」
「やだ……」
「俺に風邪ひかせたいわけ?
元マネージャーとして
どうかと思うけど」
何言ってんだよ、俺。
こんな時まで
きつい言葉ぶつけてんじゃねぇよ。
自分に文句を言っても
18年間築かれた俺の性格なんて
簡単には変えられねぇ。
「入れば……」
蓮見の瞳は、今までさんざん
泣いていましたってくらい真っ赤で。
今すぐ抱きしめてあげたいくらい、
痛々しい。