へたれアイドル王子 卒業します アミュ恋 4曲目

 玄関を上がり
 ダイニングテーブルに目が留まった。



 何、この大量な料理。

 俺の好きな物ばっかり
 作ってあるじゃん。



 蓮見に『ありがとう』って
 伝えたいのに。

 素直になれない悪魔が、
 その言葉を伝える勇気を食べつくす。




「マトイ、お腹いっぱいでしょ?
 食べなくていいから」


 はっきりと、拒絶されている俺。



 つうかさ、
 俺の何にムカついているわけ?

 何に悲しんでいるわけ?


 言ってくんねぇと
 分かんねぇじゃん。



「俺に言いたいことあるなら、言えよ」



「別に」



「じゃあ、帰ってもいいわけ?」



「……いいよ」

 なんだよ、それ。
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