へたれアイドル王子 卒業します アミュ恋 4曲目
「マー君、聞いてる?」
これでもかというほど
口を尖らせた春輝。
聞いてねぇよ。
オマエのノロケを聞く心の余裕なんて、
俺にはねぇんだよ。
「ウサギ、ウサギ、
うるせぇんだよ。春は」
怖めに声を作っても、
春輝の心はノーダメージ。
本当に、春輝の心の図太さに、
感心するわ。
マジで。
「可愛いでしょ? この恋お守り、
みゅうみゅうが作ってくれたんだよ」
「へ~」
「僕が東京に言っちゃったら。
遠距離になっちゃうからって」
珍しく、春輝の瞳が悲し気に光って。
なんて声をかけていいか
戸惑ったけれど。
「こっちはマー君のお守りだよ」
俺の前で
お守りをユラユラさせる春輝に、
いつも通りつっこむ。
「いらねぇし」