へたれアイドル王子 卒業します アミュ恋 4曲目
恐る恐る、視線を上に。
ひぃ……ひぃえ!!
な……なんで? なんで?
なんでマトイが
私を抱きしめているわけ??
「良かったぁ……間に合って……」
心から安心したようなマトイの声が、
私の耳に降ってきて。
強く抱きしめられたままの私は、
心臓がドクンと飛び跳ねた。
「蓮見、大丈夫か?」
見上げたら、心配そうに瞳を揺らマトイと、
視線が絡んだ。
顏、近っ!!
ドキドキが加速しちゃうから
そんな優しい瞳で
私のことを見つめないでよ!!
「大丈夫……じゃ……ない……」
私は、素直な心の声を吐き出した。
だってマトイが、カッコよすぎて。
私の肌に感じる
マトイの温もりが温かくて。
心臓、
止まっちゃいそうだから。