へたれアイドル王子 卒業します アミュ恋 4曲目

「怖い思いさせて、悪かったな」



 だから、そんな優しい瞳を、
 私に向けないで。



 マトイのことは、
 もう諦めなきゃってわかっているのに。

 好きって想いが、募っていっちゃうから。



 絶対に真っ赤になっている顔を、
 マトイに見られたくなくて

 横に視線を逸らしたと同時。

 ハッと我に返った。



 さっきまで、私のファンだって
 言ってくれていた女の子たちが、

 戸惑いの目で、私たちを見つめていたから。



「マトイ、今すぐ離れて」



「はぁ?」



「みんなに見られているから……
 恥ずかしいから……」



 これで、マトイが離れてくれると思ったのに。



 マトイの腕の力が、一層強くなり。

 私の顔は、
 またマトイの胸にピタリとくっついた。

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