へたれアイドル王子 卒業します アミュ恋 4曲目

 自分の心の声に
 悲しく肩を落としてしまった私。



 その時、堂々としたマトイの声が、
 異世界女子たちをざわつかせた。



「蓮見が俺の女になったら、
 オマエたちは祝福してくれるわけ?」



 それって……どういう意味……



「できねぇよな? 
 王子の俺も、魔法界のしきたりを
 破るわけには、いかねぇからな」



 マトイの表情が、フッと陰って。
 悔しそうに、唇を噛みしめている。



 私たちを取り囲むように、
 こんなにたくさんの人がいるのに。



 だれも、言葉を発しようとしない。

 みんな、悲しそうにうつむいている。



 その理由が、私にはわからなくて。


 
「蓮見、俺につかまってろよ」



 マトイの凛々しい声に
 私はただ、頷くことしかできなかった。


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